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朝、玄関で靴を履く。次に手が向かう先が、まだ決まっていなかった。
眼鏡をどこに置いたか、正確に覚えていない日がある。棚の上、鍵の横、あるいはソファの脇。視線が一度、室内へ戻る。靴はすでに履いている。その状態で、動線が折り返していた。
その置き場所を固定するのが、Hender Scheme glass wall holder 3Pだった。玄関の壁面に直接取り付ける構造で、テンプルを差し込むポケットが3つ並んでいる。ヌメ革を使用し、壁面に直接取り付ける。棚や引き出しではなく、壁そのものが収納になる。

テンプルを差し込む動作は、一方向だけで完結する。引っ掛けない。押さえない。差して、離す。革のポケットが両側からテンプルを包む構造のため、眼鏡はその場に留まっている。
ヌメ革は使い込むほど色が深まり、表面の艶が変わっていく。取り付けた直後より、壁の色に馴染んで見える日が増えていく。視線がそこで止まらなくなっていく。
朝、靴を履いたまま腕を伸ばす。テンプルが指に触れる。壁から外れた眼鏡を掛けて、扉を開ける。
視線が室内へ戻ることなく、動線がそのまま外へ続いている。
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壁に、革が馴染んでいく朝。|note



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