※この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。
机の上に、手が伸びる。無地の金属が、窓からの光を反射している。
ドライバーヘッド、財布の革、木の板。素材はそれぞれ違うのに、今日はこの一台の前に並んでいる。
以前は、模様を入れるという行為に、素材ごとの専用工房が必要だった。金属には金属の彫金、革には革の刻印、木には木の彫刻刀。
さらに厄介なのは曲面だった。平らな作業台の上では、丸みを帯びたものはうまく固定できず、そこで作業が止まる。ゴルフクラブヘッドのような立体は、とくにその壁にぶつかりやすい。

LaserPeckerは、その工程を一台の卓上機に集約している。
本体はコンパクトで、置き場所を選ばない。対応素材は木材・革・金属・アクリルなど幅広く、レーザーの出力をアプリ側で切り替えるだけで、同じヘッドが素材ごとの彫り方を使い分ける。
治具に、丸みを帯びたクラブヘッドが固定される。
ロータリーアタッチメントが軸を回転させながら、光の点が金属の表面をなぞっていく。粉のような跡が、曲面に沿ってわずかに残る。円柱や球体のような立体でも、回転させながら彫れるので、平面用の固定具では届かなかった角度まで模様が届く。
同じ機械の上で、今度は革が置かれる。
平らな面に、光の点が別の速度で動く。革の繊維が焼け、香りが立ちのぼる。金属のときとは出力も速度も違うが、切り替えはスマホアプリのプリセットを選ぶだけで済む。操作パネルを新たに覚える手間は、そこにはない。
木の板も、順番に並ぶ。
木目の上を光がなぞるたび、焦げた粉が薄く積もり、乾いた木の香りが混ざる。彫る深さも、アプリ側の設定ひとつで変わる。素材が変わっても、卓上に置かれた機械自体は動かない。
彫り終えた面に、指先が触れる。
凹凸が、光を受けて陰影を作っている。金属も、革も、木も、同じ一台の上で、模様を持つものへと変わっている。

note版はこちら


コメント