夜の卓上、冷えの気配

表面に結露が生じ、白い泡が立った純錫製のビアカップ。 お酒・ドリンク

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夜、リビングのテーブルに向かって腰を下ろす。窓の外で虫の音が響いている。缶の蓋を開ける前に、指先が器の側面に触れている。

以前は、注いだ後すぐに氷を足していた。ぬるくなる前に飲み干そうとして、口の動きを速めていた。冷蔵庫との間を、何度も往復していた。

器は錫のみで鋳られている。内側には梨地と呼ばれる凹凸が並んでいる。金属は熱を伝える。冷蔵庫に入れると、器全体に冷えが回っていく。

琥珀色の液体を縁に沿って注ぐと、表面に結露が浮かび上がる。梨地に沿って泡が立ち上がり、層をなして静止する。指先を側面に当てたまま、口へ運ぶ動作が途切れない。

温度を確かめるための往復が消えている。器はテーブルの上に置かれたまま、虫の音だけが夜の中に残っています。




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夏夜、銀の露と静止する泡|ウクク

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