夏の夜のキッチンと透明な球体の準備

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夏の夜、シンクに手を伸ばす前に、ステンレスの天板へ視線が動く。
そこに黒い円柱が一本、立っている。

以前はこの時間帯、グラスに氷を入れようとして手が止まる場面があった。冷凍庫を開けると、製氷皿の氷はすでに残り少なく、白く曇っている。透明な氷を求めてコンビニへ走り、重いロックアイスの袋を持ち帰る。使い切るたびに、同じ動作が繰り返された。外へ出る一拍が、夜の動線の途中に挟まり続けていた。

like-itの製氷器は、断熱性の高いポリプロピレンの外容器と、ポリエチレンの内容器、そしてシリコーンゴムの型という三層で構成されている。外側が冷気の侵入を緩やかにし、氷は内部の水から上部に向かってゆっくりと凍っていく。その過程で、白濁の原因となる不純物が下へ押し出される。シリコーン型は凍結後も柔軟性を保つため、球体を押し出す際に余分な力を必要としない。直径約11センチの円柱形状は、冷凍庫の引き出し内で自立する。

夜、キッチンに立つ。容器からシリコーン型を引き出し、蛇口の水を内側のラインまで注ぐ。型を戻して、冷凍庫の引き出しを開け、冷凍食品の隙間にその筒を垂直に差し込む。引き出しが閉まる。それで手が止まる場面はない。翌朝か翌夜、引き出しを開けると、透明な球体が型の中に収まっている。シリコーンの端を押すと、氷は静かに外れる。

外へ調達に出る動作が、動線の中から消えています。




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白い円柱と水の堆積|ウクク

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