夕方の玄関と水滴の消失

玄関の隅に置かれた長方形の珪藻土製傘立てと、そこに差し込まれる濡れた傘。 インテリア・収納

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春の雨が上がった夕方、濡れた傘を持ったまま玄関のドアを開ける。外気の湿気が土間に入り込み、三和土の面が暗く見える。傘を持ち替えながら靴を脱ぐ。濡れた傘が、まだ手元に残っている。

従来の傘立ては、底面に水が溜まる構造になっている。雨の日に帰宅するたびに、傘を立てた後で底の水を捨てる動作が発生する。容器を傾け、水を流し、戻す。傘を立てたあと、もう一度しゃがむ。雑巾を取りに戻る日もあった。

Soil UMBRELLA STANDは、珪藻土を素材とする直方体のブロックだ。秋田県産または石川県産の珪藻土が持つ吸水性により、表面に触れた水分を内部へ速やかに吸収する。吸収された水分は、時間の経過とともに素材から放出され、表面が乾いた状態へ戻っていく。上面に設けられた穴に長傘の先端を差し込む構造で、重量のあるブロック形状が重心を低く保つため、傘を差し込んだ状態でも転倒しにくい。

三和土の隅にブロックを置く。濡れた傘の先端を穴へ差し込むと、傘の布から滴り落ちた水滴が珪藻土の表面に触れ、輪郭を失いながら吸い込まれていく。床面には水が広がらない。傘を立てた後、視線は室内へ向かっている。屈む動作は発生していない。

翌朝、玄関の隅の表面は乾いている。傘だけが、同じ場所に立っています。




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春夕、濡れた石と吸い込まれる影|ウクク

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